第10回 全てはつながっている

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「心と体はつながっている」
当たり前なのに、つながって考える医学はない。
「食べ物と健康はつながっている」
当たり前なのに、そこを考える医学はない。
「人生と健康はつながっている」
当たり前すぎるのに、そこを医学は考えない。

言い過ぎですか?

でも、内科と精神科はお互い全く干渉せず、そっぽを向いて治療しています。
体の問題はその多くが心から始まっているのに。

カロリーや成分は気にするけれど、その人がマックで生きているのか、コンビニで生きているのか、自然食で生きているのかを問わないのはなぜですか?
食べたもので、体はできているのに。

その人の人生の苦悩や、不安や怒りが、過食になったり、タバコや酒に頼ったり、ガンをまねいたりしているのに、そこに目を向けずに、薬だけで問題を隠してしまうのはどうなのでしょう。
血糖値を薬で下げても、過食や運動不足になるストレスを解決できなければ、本当には治らないのに。

そうした人生のいろいろな問題をバラバラに考えずに、全てを一つの流れとして考えると、病気ってどうなるんだろう。

「全てはつながっている」
これが、今回のテーマです。

こんなお話をしましょう。

不和な夫婦の間に一人の子供が授かり、生まれたとしましょう。
言葉はわからなくても、険悪な雰囲気や怒声は、彼女にとってこの世界は安全はなく危険なところと認識されます。
すると常に警戒緊張するため、アドレナリンが過剰に出て、敏感で驚きやすく、疲れやすいそんな子になっていきます。
母親はとても疲れており、「パンと牛乳で食事が終わる」。
そんな日も多く、栄養のバランスは崩れ、「太りやすい」「アレルギーが出やすい」「初潮が早くきてしまう」など、小麦のグルテンや、牛乳のカゼイン・ホルモンの問題が出てきますが、パンと牛乳が悪いなんて、誰も気づきません。

怒鳴る父親への嫌悪感は強く、威圧感のある男の先生も大嫌いになり、その教科の成績はガクンと下がってしまいます。
「先生が嫌いだから」と言っても、「わがまま」ととらえれるだけです。
優しいものや、植物など自分を攻撃しないものが好きになり、本の世界に惹かれます。
勉強だけが自分を認めてもらう術であり、なんとか学生時代を乗り越え、努力を重ね図書館に就職しましたが、嫌いなタイプの上司に当たり、一気に月経前困難症が悪化します。
ストレスはコルチゾールというホルモンを消費し、コルチゾールが消費されると性ホルモンのバランスも崩すからです。

緊張や空腹を甘いのもをとってのり切るようになり、一人暮らしを始めましたが、自炊ができず、パンやパスタの生活となります。
緊張が高いと消化機能が抑制されるため、簡単に分解できる糖質に頼るようになり、それがもっと疲労感や冷えを助長し食べられない体を作ってしまいます。
糖質に頼ったため、腸内細菌のバランスも崩れアレルギーは悪化。喘息を併発します。休みがちになったところを上司に叱られ、パニック発作を起こしてしまいます。
精神科に通院し薬をもらいます。

飲むのも怖く、自己嫌悪も強く、実家に帰っても父親は不満そうで行き場がなく、「もう消えたいなーこの世界から。」なんて漠然と思います。

彼女にとって、世界は怖く、自分には価値がなく、自己を肯定できないため疲弊し、食事も体を疲れさせるものばかりで体調は悪化し、実家も安住の地ではありません。
このままいけば、免疫力は低下し、もっと大きな病気を招きかねません。

こんな話はごろごろとあるのです。
簡単にこの流れを止められるとは思いませんが、それでもこれを、耳鼻科が見て、婦人科が診て、呼吸器科が診て、精神科が診ても、そうやってバラバラに診てもどうにもならないのです。

自分が流れのどこにいるのか、自分で知る必要があります。
物事は連鎖し、解決しなければより複雑になっていきます。
全てはつながっていて、これからもつながっていくのです。

そのことを心に留めてください。

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