第5回 あなたならどの子を育てる?

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「オーガニックな野菜を選ぼう。」ってよく言われますよね。

「でも高いよなー。」って。

これは直訳すると有機栽培の野菜を選ぼう。ということになります。

「じゃあ、有機ってなんだ。」って話になるのですが、

ここでは私なりの考えをお話ししたいと思います。

「オーガニック」と日本で言われると、それは有機栽培というより

「無農薬無化学肥料栽培」という意味で使われることが多く、

この中には有機栽培と自然栽培がごっちゃに入っています。

「悪いもの使わないんだからいいんじゃないの。」的な。

でもここに私はこだわりたい。

この二つは全く別物で、どれを選ぶかはあなた次第だからです。

まず慣行栽培から復習です。

これは手軽に大量に綺麗な野菜を揃えて作れます。

農業をやっていて困るのは虫と雑草。

それはそれは大変です。

だからやむなく、綺麗な野菜を作るために(そうじゃないと売れないから)

農薬を使います。

すると虫や雑草や土壌菌が死ぬので土が死にます。

ですから栄養分は土壌から取ることができず、化学肥料を入れざるを得なくなる。

思いっきりドーピングです。

ドーピングの量である程度形を決められるのでかっこいいですが、

見た目良さそうだけど実は締りがなく、病気には弱い子供が育ちます。

じゃあ有機栽培は?

これはエリート。英才教育。サラブレッド。姫川亜弓です。

無農薬だと雑草も虫もやってくる。それでも素晴らしい野菜を作りたい。

そうしたら手塩にかけ、有機肥料(油かすや鶏糞・牛糞・ぬかや牡蠣がらなどなど)にビニールハウスや、地温管理や土壌分析やあれやこれやと手間暇かけて素晴らしい野菜を作ります。だから高い。当然です。

ただし、一切人間が管理するので、達人でないと過剰に肥料をやり,

硝酸態窒素という有害成分が残留したり

いい野菜をめざすあまり、虫や雑草を嫌い、

自然とあまり仲がいいとは言えない部分があります。

じゃあ自然栽培は?

これはね。野生児。アボリジニ。プロゴルファー猿(古い!)です。

「耕さない。」という人もいるぐらいでやり方は様々ですが、

「無農薬無肥料。」が基本です。

肥料なく育てるということは、いかに自然を知りその野菜に適した環境を作るかが問題です。

豊富な土壌菌がいれば、連作障害などは起こしません。

手をかけることをやめ自然に任せる部分が多いので、ぐっと手間は省けますが、

収穫量はドーピングやサラブレッドに比べて落ちてしまいます。

また、虫も当然ある程度出ますし傷のあるものもあります。

一割は昆虫のため、というような考えですから、他の野菜に被害が行かないよう

彼らの好きな野菜を別につくっておいたりします。傷は名誉の負傷です。

「様々な生態系の一部として野菜を育てる。」

ここの部分が、同じ無農薬でも有機栽培と真逆と言っていいほど理念が違うと思います。

しかし、自然栽培の問題は、理念は素晴らしいですが、なかなか売り物にならない。

味も質も素晴らしいけれど、不揃いだし、見た目地味だし、収穫量は少ないし。

「どんなに理念が素晴らしくても、食っていけないんじゃしょうがないだろ。」

これが自然栽培のネックです。

さてみなさん。

我が子とするならどの子を育てますか?

私的な経験からなので偏見もあるかもしれませんが、

野菜だけで言ったら、有機栽培の勝ちかなと思います。

でもその畑に行ったら、全然違うんです。

ビニールハウスやマルチが連なった畑と、

まるで野山にピクニックに来たような、虫もカエルも鳥も集っている畑とでは

全く違うんです。

学習塾で育った子より、野山で育った子の方がよくありませんか?

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