第20回 ちゃんと普通に

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「ちゃんとしなさい!」って、一度は言われたことがありませんか?

もしくは、「ちゃんとしなさい!」って一度は言ったことは?

一体、「ちゃんと」ってなんでしょう?

「ちゃんと」って、「人から見て恥ずかしくない様に、ちゃんとしなさい。」

「ちゃんと」って、「かくあるべきと言われていることを、ちゃんとしなさい。」

ということです。

「ちゃんと」って、人目を、人の評価を、暗黙のルールを、常に気にしなさい。

ということです。

大抵の人は、そんなこと適当に聞き流して好きなことをします。

でもここに、とても真面目で、言われたことはいいことなんだと思い込んで、

忠実に守ろうとした子がいるとします。

その子はいつも、「ちゃんとしてるかな。」と気にします。

服装が、振る舞いが、お返事が、「ちゃんとする。」ことに注意を注ぎます。

だからとてもいい子で、みんなに「〇〇ちゃんはとてもいい子ねー。」

と褒められます。

ご両親も鼻高々で、どんな人からも褒められるよう、もっとちゃんとしたいい子を求めます。

そうしていつも人の期待に応えるよう生きていると、途中からおかしな具合になってきます。

初めのうちは、ご両親や親戚の人の言うことをきいていればいいので簡単でした。

ところが、大人になるにつれ、「ちゃんと」がはっきりしなくなってきます。

「ちゃんと」しているつもりなのに叱られたり「ちゃんと」してない人の方が楽しそうに

生きています。

「自分の意見がなさすぎる。オリジナリティーに欠ける。」なんて言われるかもしれません。

言われた通りに生きてきたのにどんどん上手くいかなくなります。

親から今度は、「しっかりしなさい!」なんて言われたりします。

なんですか。今度は「しっかり」って?

そうして、人の評価を気にし、したいことを決められず、不安で押しつぶされそうに

なっている人が、たくさんいます。

「ちゃんと」は上手くいかないんです。

個性的な子は、よく「普通に。」って言われます。

「普通にできないのか!」

「普通にしなさい。」

「普通にしててくれればいいの。」

普通にできない子は自分を恥じ、どこかにある「普通。」に焦がれます。

「普通になりたいんです。」

これが彼らの願いです。

で、どうやって普通になりましょうか?

大きくも小さくもない声。

堅苦しくもくだけすぎでもない話し方。

一番多くやっている人の物真似。

当たり障りのない会話。

それを身につけたら本当に幸せになりますか?

お分かりですか。

この方法は、もともと

「ちゃんとしないと笑われる。」

「普通にしないと落ちこぼれる。」

といった不安や恐怖に根ざした方法なので、決して上手くいかないのです。

不安や恐怖に根ざした行動は、慌て、緊張し、おどおどし、人目を気にして尻込むからです。

だから、この方法をとればとるほど不安は増し苦しくなります。

常に他人の評価、他人から自分がどう見えるかを気にして繕うため、

だんだん「自分」が分からなくなっていきます。

「自分らしく」

「自分のしたいことを」

「自分の好きなように」する機能は失われていきます。

そして結局、見栄と世間体を気にし、凡庸で妬みがちな人間が出来上がるのです。

ではどうすればいのか。

実は簡単なんです。

「愛情をもってする。」

これだけです。

愛情を持って行う行為は、優しく穏やかで、誠意があり真剣で人の心を打つのです。

それがわからない人が、あなたを笑おうとけなそうと、実は関係ないんです。

それはその人たちの問題であなたの問題ではありません。

もし、精一杯の愛情をもってしてもちゃんとできないことがあったら、

それはあなたが悪いのではなく「ちゃんと」が間違っている。

そうお考えください。

その「ちゃんと」はあなたに必要ありません。

自分らしく愛情を持って取り組んでもなお、その行為で誰かが傷つくことがあったら、

その人のために自分を曲げるのではなく、そっとその人から離れてください。

全ての人の期待にそう必要はないのです。

自分らしく生きられる世界を見つけてください。

そうしたら「ちゃんと」愛情を持ち「普通に」したいことができる世界が見つかります。

そうすればきっと上手くいきます。

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