第29回『えへへ。』
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「えへへ。」って、どんな時に使いますか。 使ったこと、ありますか? 「えへへ。」って、ちょっとドジして照れたり、ちょっとズルして誤魔化したり、 まあ、何とか笑いで許してもらおうという、お茶目な言葉です。 どんな時にも使えるかというと、そうではないですよね。 例えば、家族の誰かが自分のために買っといたアイスが美味しそうで食べちゃった。 「えへへ。」です。 一生懸命みんなのために作った料理が、ちょっと惨めにできた。 「えへへ。」です。 これが、赤の他人のアイスだったら、そうはいきません。 お客さんに出す料理だったら、そうはいきません。 何が違うか、わかりますか? そう、愛されていることです。 家族であれ、友人であれ、そこに愛情が流れていて信頼があると、ちょっとしたマイナスのことは笑いや、許しに変えられるのです。 大きな愛の中では、小さな棘は笑って済ませられるのです。 でも、そうした関係がなかったり、金銭的な契約だったりすると、話は違います。 罪になったり、違反になったり、卑屈になったり。 「エヘヘじゃねえんだよ!。ヘラヘラしてんじゃねえよ!」って殴られちゃいます。 そこに愛情がないと、緩みがなくなって、キツキツになるんです。 約束や取引、暗黙の了解。それはそれで必要なことだけれども、どこもここもそうだったら苦しくて生きづらくないですか? だから、できるだけ、「えへへ。」と言える人を増やしましょう。 「えへへ。」と言われて、笑いましょう。 それは、適当に生きるということではないんです。 愛情の中に、緩みを作って、些細なことは笑い飛ばす人生です。 「えへへ。」と言ってアイス食べちゃって、次の時に一個多くつけて返せばいいじゃないですか。 それが許される人間関係。 どんなに真剣に生きていたって、ミスしたり、ちょっと助けてもらいたい時、あるじゃないですか。 「えへへ。」と言って、もっと愛される人生。 どうですか? ゆるく、愛される人生。