第5回 言葉ってなに?
「ことば」って何?
「ことば」って、なんだと思う?
「ことば」って自分のこころを表すよね。
ホントはこころをそのまんま伝えられたらいいんだけど、そうもいかないから、
きみは自分のこころを見て、それを「ことば」に変換し、発信する。
「ことば」を投げ込まれた相手は、波紋のように広がったその時の自分のこころを見て、なんであれその時にふさわしいと思う「ことば」を返すわけだ。
これが、めんどくさい。
糸電話並みに、めんどくさい。
まず、「こころ」を「ことば」にするっていうのが結構難しいわりに、
脳みそはよく考えもせず発信するから、間違いだらけだ。
その間違いだらけの情報を受け取って、相手はこれまた、そのままこころに浮かんできたものを相手に投げつけちゃう。
理にかなってるかとか、真実を伝えているかとかは二の次なんだ。
「こころにに浮かんだ。だから投げつけた。それの何が悪いの?」
こんな感じ。
悪くはないけど、そんなどこから出てきたんだか訳のわからん
物を投げつけられたら、そりゃやり返されるよ。
おかげで誤解やいがみ合いばかり。
みんなびっくりするほどテキトーに「ことば」を使って、
みんなびっくりするほどこころの仕組みを知らないんだ。
自分のこころを知っとかなきゃ、うまく取り出せる訳がない。
強い言葉には、ドキッとするでしょ。
ぼーっとしてると「えっ?」と思っても従っちゃう。
10回も言われていると、そうだと思い込む。
みんなに言われても、そうだと思い込む。
自分の中の真実と違っていても、よほどしっかりしてないと自分のこころの方を押し込めちゃう。
そうしてだんだん思い込み、出来上がるとなんの疑問も持たず言われた通りに行動する。
そうやって僕らの脳みそは、幼いうちに、知らないうちに、間違ったクセや思い込みをたくさん抱えて生きているんだ。
思考は糸のようなもので、言葉には鎖のように自分や相手を支配する力がある。
自分に対してだって相手に対してだって、なんの抵抗もしなければその通りになっていくんだ。
「お前は何の価値もない。」
そう言われ続けて育ったら、どうなるかわかるよね。
「あいつほんと嫌なやつだな。」
こう君がつぶやいた時、君にとってそいつはもっと嫌な奴になる。
思うだけでなく口に出し、その「ことば」をまた自分の耳から聴くんだから。
「私ってなんでこんなにダメなの。」
こう君が裁く時、自分はもっと許せないやつになる。
周りを妬み、周りを恐れ、自己嫌悪し、自分を傷つけたくなる。
「ことば」はその時の感情の方向に物事を動かす車輪のようなもの。
行き先を考えて、必ず発するんだよ。
「ありがとう。」
「嬉しい!」
「しあわせ!」
「うん、いいよ。」
「楽しいね。」
「よかった。」
「好き。」
「愛してる。」
自分の目指す世界の言葉を使ってみて。