第5回 心のありか
![](https://ikuseyu.jp/wp-content/uploads/2021/08/5月の風景.jpg)
心のありかがどこにあるか、ご存知ですか?
胸? 頭?
いやいやそういう話ではありません。
不安な人に、ちょっと訊ねてみます。
ーいつも、どんなことを考えていますか?
「えっ・・もし具合が悪くなったろどうしよう。」とか、
「なにか言われたらどうしよう。」とか。
ーう〜ん。つまり来るかどうかわからない未来の話ですね。
「まあ、そうです。」
ー他には、どうです?
「あの人に、あんなこと言っちゃったけど、気を悪くしなかったかな。」とか、
「あの時、あんなことがなければこんなことにならなかったのに。」とか。
ーう〜〜ん。もう終わってしまった過去の話ですね。
「まあ、そう言えば、そうです。」
まあ、私がこんなに唸ったかどうかは別として、不安な人だけでなく、
多くの人がこころを未来や過去においてしまい、今に生きていません。
「心ここにあらず」なのです。
皆さんは、過去現在未来を1本の線として捉えているかもしれませんが、
実は違います。
過去は記憶の中にしかなく、未来は想像の中にしかありません。
いつも私たちにあるのは「今」だけです。
私たちがすることは、
過去がどうであろうと、「今、どうするか。」であり、
未来がどうなるかは、「今、どうするか。」だけが私たちにできる全てなのです。
なので、「今」の使い方を私なりに紹介したいと思います。
まず、人生の力点である「今」に何をこめるかで、過去が変えられます。
例えば、「今、生きて、呼吸をしていること。」
このことにあなたが、はち切れんばかりの「幸福」をこめたとしましょう。
そうすると、「過去」はあなたにとってどうでもいいことか、
もしくは何があったとしてもこれで良かったと許すこと、
さらに言えば感謝することができます。
もしあなたが、このことに死ぬほどの「不幸」をこめたとします。
すると、まったく同じ過去が、あなたにとって決して忘れられない失敗であり、
許しがたい汚点になります。
「幸福」をこめるか、「不幸」をこめるかは、実は状況とは一切関わりません。
ただ、あなたが「今」をどうとらえるかだけが問題であり、
どうするかだけが未来を握るのです。
では、人生の力点である「今」をどうするか?
可能だと思う、最も幸福な未来を思い描きます。
今、そのために出来ることを精一杯やります。
それだけです。
それだけなんです。
ゆめゆめ今を無駄になさいませんよう。