第2回 自分と思っているもの

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「自分」ってなんでしょう。

今そこにいるまさにそのあなた、それが「自分」?

いえいえ、そこにいるのは「自分と思っているもの」です。

本当のあなたでも、本当のあなたのなりたいものでもありません。

それについて説明しましょう。

みなさん、実にたくさんの思い込みを抱えて生きています。

「私はなんの取り柄もない。」

「私を誰だと思っているんだ。」

「失ったらおしまいだ。」

「結婚してないのは恥ずかしい。」

「私って、変に違いない。」

「仕事は苦しいものだ。」

「バレたら生きていけない。」

「誰も助けてくれない。」

「あの人のせいで、自分の人生台無しだ。」などなどなどなど。

人生を航海する上で、役にたつと思うものは手に入れ、

いらないものは捨ててきたはずですが、

まるで船体に付くフジツボのように自分のこころにこびりつき、

かえって自分を不幸にしている考え方です。

みなさんは、「いや、これが俺だ。」「これが私だ。」と言いますが、

それはフジツボです。

裸の王様のように、はたから見ると恥ずかしい思い込みでも本人は気づきません。

「その考えはおやめになったら。」など言おうものなら、

「私の何がわかるんだ!」と怒鳴られるかもしれません。

「これが私ですから、結構です。」と立ち去るかもしれません。

でも、それがフジツボです。

実はあなたではありません。

フジツボとあなたの考えとの違いは、「試しにそれをやめられるか。」

やってみてください。

例えば世の中で、「社長」とか「教授」と呼ばれる方は、

是非トイレ掃除をしてみてください。

社長も教授も二十四時間やっているわけではありません。

ただ人となった時、「一生お世話になるところだもの、

たまには掃除をしてみよう。」

こう思えれば素晴らしいことです。

「なぜ私が。」そう湧き上がるなら、もうフジツボがついています。

こそげ落とさないと、いつかあなたの船を沈めます。

例えば今日一日、自分に出会う人誰にでも優しくしようと思って生きてみます。

例えばその次の一日、自分に出会う人誰にでも感謝しようと思って生きてみます。

そう思って出来なければ、あなたは何かの考えに囚われ、

舵がうまくきいてないということになります。

そうやって一つ一つ、確かめながら、いつでもその状況にあった、

自分らしい考え方を選んで行きます。

そうすると、病気になっても、仕事がなくても、大金持ちになっても、

その時にふさわしい生き方で航海できます。

「今日はどんな考えで生きようか。」

なんか、ワクワクしませんか。

どの一日も、新しく始まるんです。

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