第7回 腸内細菌を取り戻す その2
さて、今回は腸内細菌を取り戻すために、何をとった方がいいのかをお話ししましょう。
「腸内細菌を取り戻すんだから、腸内細菌をとればいいんじゃないの?」
はい。その通りですが、それだけではないんですね。
わかりやすく説明するために、ボヤを起こしてしまったお家を修復する思ってお話ししましょう。
お家があなた、ボヤを起こしているところが腸で、焼け爛れて壁が崩れ、言わゆる
リーキーガット症候群を起こし、有害な煙が体全体に広がっています。
そこで登場する腸内細菌は、消防士であり大工さんです。
彼らが腸管を修復し、左官工事もしてくれるわけです。
一人の腸に3万種、1000兆個も腸内細菌がいるとされていますが、現代人の腸では激減中です。
彼らの役割をご存知ですか?
免疫機能の7割をつかさどり、病原体の侵入を防ぎ、ビタミンや神経伝達物質を生合成し、体に必要なエネルギーを補給します。まあ、その他にもいろいろあるのですが、スーパーマンなんですよ。簡単に言って。
では呼び戻すには、どうしたらいのか?というと、豊かな森のような多様性が重要となりますので、改善を早めるなら、クレアラボなどで売っている、非常に品質の高いプロバイオティクス(人体に有用だと認められている腸内細菌群)をサプリメントとして取るのが有効です。
食品では、ぬか漬けや納豆、味噌醤油、米麹や甘酒など、日本に古来から受け継がれてきた助っ人を呼び戻すことが重要です。なんてったって桃太郎という感じです。
それからキムチやヨーグルト、ザワークラウトなど各国のヒーローも呼び寄せましょう。
また土壌菌にも有用なものがあり、新鮮なものを、土ごと丸ごといただくというのも、あながち間違ってはいないのです。(ですので土ごと汚染されていないことが何より大切なわけです。)
「新鮮なものを、無農薬無化学肥料で、地元で取れる旬のものを、生または発酵食を意識して、できるだけ丸ごといただく。」
こうならざるを得ません。
さてさて、桃太郎腸内細菌がいればそれで万全でしょうか?
いえいえ、彼らは生きているのです。
ですので彼らのご飯が必要です。
それが、水溶性植物繊維やレジスタントスターチ。オリゴ糖などです。
芋や海藻・大麦・豆・果物など、そして冷えたおにぎりなどが彼らのお弁当です。
さらにはミネラルビタミン。特にビタミンAとD、亜鉛とマグネシウムが必須です。自らも作り出しますが、それらが金槌やカンナのような大工道具となり、修復していくのです。
そして最後にL-グルタミンと呼ばれるアミノ酸を特に取ることをお勧めします。
これアミノ酸が板切れにあたり、腸管を修復する材料となります。
ビタミンA・Dは取りすぎは毒。
お腹にカビが蔓延っている時は、あまり発酵食はとらない方がいい。
グルタミンは便秘になりやすく、マグネシウムは下痢になりやすい。など、注意事項はありますが、
万人の正解などあるわけもなく、自分の体に訊きつつやってみてください。
現代人はボヤどころか火事になっている方も多く、難しければ私や他の栄養療法医に相談してください。
ちょうど、土づくりとそっくりでです。
いい土ができたら、いい作物ができるじゃないですか。
各々の土地で、試行錯誤しながらコツを掴むように、自分の体に向き合ってみてください。
体、変わりますよ。