第4回 ミスしちゃいけない
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「ミスしちゃいけない。」
「失敗したらダメ!」
って、みんな、よく言うよね。
「脳みそ」は言う。
「失敗して、とんでもないことになったらどうするんだ。」
「それが命にか関わることだったら、取り返しはつかないんだぞ!」
「だからお前はダメなんだ。」
でも考えてみてよ。
君が足し算引き算習った時、間違えなかった?
君がお料理始めた時、失敗しなかった?
君が自転車乗った時、転ばなかった?
君が新入生だか新入社員だか知らないけど、初めてのことを始めから
失敗しないでできる人なんていると思う?
それとも学校出たら何も間違えない人間が出来上がるの?
君がともかく誰かに何かを習っているとしよう。
「こうこうこうして下さいね。」
「わかりました。でもこうしたらどうなりますか。」
「知りません。」
「他のやり方だとどうなるんですか。」
「うまくいかないと言われていますが、私はしたことがないのでなんとも言えませんね。」
ね。もし、失敗しないで言いつけ通りにやってきている人がいたら、こんなセリフになる。
君は納得がいかなくて、別な人に訊く。
「こうこうこうして下さいね。」
「わかりました、でもこうしたらどうなりますか。」
「いやーそれはねー、ああなってこうなって、ひどいことになるんですよ。
私なんか3回も痛い目にあって。」
「他のやり方だとどうなるんですか。」
「なんとかできるし、割合いい方法もあるんですが、効率で言うとこれでしょうね。
でも時間を気にしなくていいなら、他にいいプランががありますよ。」
どう?これが失敗し尽くした人のセリフ。
わかるかい。
優れた人ほど、なんでも知っている。
優れた人ほど、失敗している。
そして、そういう人たちは、失敗ばかりしているんじゃなくて、失敗から学ぶ力の強い人達なんだ。
「ああこれじゃ上手くいかないんだ。」と納得することが、どうしたら上手くいくかを考える一番の早道だって知っているんだよ。
じゃあ、自分や人の命を危険に晒すようなことだったら?
そう。
優れた人は、それが自分の手に負えないことにならないか予想できる力を持っている人。
そうなったら、プライドなんてかなぐり捨てて、助けを求められる人。
失敗の質にこだわる人。
そうなるためにはどうする?
そう。
ちっちゃい失敗を繰り返して学ぶんだよ。
「失敗しちゃいけない。」んじゃない。
「試行錯誤していい。」んだ。
もしリスクの高いことがあるなら、それはミスできないようなシステムを作って対応するものだし、少なくとも、君だけでことに当たらないはずだ。
君だけが追い詰められる必要はないんだ。
もし、失敗を怒鳴る人が現れたら、その人は、
「失敗は叱ることで無くなっていくものだ。」と言う脳みその思い込みの罠にはまっているか、
「自分の非にはなりたくない。」と言う責任転嫁で怒鳴っているか、
「しめしめ、これでお前より俺が優れていることがわかったか。」と言う動物的優劣を決めるために怒鳴っているか、そんなもんなんだよ。
失敗マスターなら、こう訊くはずだ。
「ふーん、で、どうして失敗したんだい?」
ね。
世の中には、成功と失敗があるのではなく、
うまくいった経験と、うまくいかなかった経験があるだけで、
本当はいい悪いではないんだ。
もちろんうまく行くようにベストを尽くすけど、だからと言って必ずうまく行くわけではない。
だから、またその経験から学んで、ベストを尽くす。
貧乏のどん底にいようと、成功の頂点にいようと、やることは同じなんだ。
だったら、どこにいて何をしようと、楽しんでやった方がいい。
だって、その方がうまくいくから。