第40回『ほしがりやさん』
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「みんなに喜んで欲しい」 「いい大学に入って欲しい」 「家庭を持って欲しい」 「健康でいてほしい」 どれもいい感じのことですよね? そのために、一生懸命尽くしたり、 プレゼントを送ったり、 アドバイスしたり、 代わりに何かしてやったり。 こういう方は、大概「いい人」で通っています。 でも、夫のために体にいいものをせっせと作っているのに、彼がタバコをやめなかったり、 一生懸命お見合いの相手を探してきているのに、息子が関心を持たなかったり、 勉強するようあの手この手てアドバイスしても、子供がのらくらしてたり、 毎回皆のためにお土産を持っていくのに、周りがあまり喜ばなかったり。 すると、あなたは怒ってしまいます。 「こんなにしてあげたのに!」 もし、こうなったら、 「いい人」を辞めて、あなたは「ほしがりやさん」になります。 「ほしがり病」にかかっている、と言っていいかもしれません。 「なんでお礼のひとつもしないの」 「なんで解らないの」 「なんでそうしないの」 と不満ばかり募り、その相手に「ダメな人」と密かにレッテルを貼ってしまったりします。 「聞き分けのない、感謝のできない人」として。 でも、申し上げますね。 真実は、善意の隠れ蓑を着てカモフラージュしていますが、 実はあなたがほしがりやさんで、欲張りなのです。 あなたのしていることは「相手を自分の思うようにコンロールしたい」 という思いから来ているのです。 「自分だけでなく、相手も思う通りにしたい」 だって、いいことだから。 だってすべきだから。 だって、当たり前だから。 でも実は「相手のためにしている」フリをして「自分のためにしている」ので、くれないと怒っちゃうのです。 だから、欲張りやさん。 もしあなたが同じようにつくして、相手が意に沿わなくても不愉快に思わなければ、それは好きでやっているのだから、構いません。 相手が迷惑がるなら、止めましょう。 それでもあなたの望みを叶えたいなら、さっさと別の方法を工夫します。 考えてみれば、「例え相手のためにしていることでも、相手の主権や自由を奪ってはいけない」と言う、当たり前のことが抜けています。 もし、「あの子はダメだから、私がしてあげなくちゃ」 などど思っているのなら、 そう思って行動することで、「あの子をダメに」しているのです。 本当に相手のためにしている人は、自分のしたことが相手のためにならなかったら、「おっと申し訳ない。これは失敗だった。他の方法を考えよう」となるでしょう。 そうすれば、もっともっと、感謝される人になります。 その努力と献身は素晴らしいのですから、相手を侵害せず、望みをかなえていただければと思います。